香りの意識調査~考察~

1. 洗剤とお出かけ時で変わる選択

まず興味深かったのは、お出かけのときの香りについては、圧倒的に多くの方が「あえて付けない(自然のまま)」を選ばれていたことです。

一方で、毎日の「洗剤選び」に目を向けると、結果は見事に「半々」に分かれました。 「なるべく薄め・無香料」を選ぶ香りの引き算派と同じくらい、「香りの持続性や消臭機能」を重視する足し算派の方がいらっしゃったのです。

街にあふれる華やかな製品のなかで、自分自身は自然のままを好みつつも、毎日の家族の洗濯となると『しっかり消臭したい』『子どもに柔軟剤を使ってと言われる』といった、家庭ごとのリアルな暮らしの背景や、優しさゆえの葛藤がこの「半々」という結果にそのまま表れているように感じました。

洗剤、柔軟剤の香りの持続性があるから、あえてつける必要がない、ということもあるかもしれません。

2. 「しんどい」を感じているのは、自分だけじゃない

さらに、「強い香りを嗅ぐと、気持ち悪くなったり頭が痛くなったりすることがある」という項目に、本当に多くのシールが集まりました。

投票しながら、「これ、私だけじゃなかったんだ…」とホッと胸をなでおろすお客様もいらっしゃいました。目に見えないからこそ、我慢したり、気のせいだと思い込んだりしやすい香りのストレス。実は多くの方が、日常の中で同じように「しんどさ」を感じていたという切実な事実が可視化されました。好きな香りだったら大丈夫だけど、苦手な香りだと、気分が悪くなる、というお客様もいました。不快には感じるけど、体調が悪くなるほどではない、というお客様も。

3. ストレス社会を生きる、私たちのリアルな矛盾

そして、今回の調査で一番興味深かったのが、「職場や外出先での気分転換」という項目です。

普段は無香料を選び、強い香りが苦手だと答えた方であっても、この項目になると「香りのあるもの(持続するもの・自然由来のもの)を使う」というエリアどちらも半々。という部分

これを見て感じたのは、 張り詰めた空気の職場、忙しい日々、移動中のストレス……。そんな毎日のなかで、ホッと一息つきたいとき、私たちはどうしても「手軽なお守り」として、香りの力に頼ることで、日々頑張られいるお客様が多い現状があるということ。その中で、持続性重視も半数いるということは、こまめに香りに癒されてる時間がないほど忙しい方が多い、かもしれないということ。

そこには誰も悪気はなくて、みんな「自分の健やかさを守るために」一瞬の癒やしを求めている。そんなリアルな社会環境の矛盾が、シールの並びから透けて見えました。

感じ方に、正解も間違いもありません

このボードに並んだシールを眺めていると、本当にたくさんの背景や暮らしの物語が見えてきます。

「できれば自然なものがいいけれど、職場の時間が長いから持続性も捨てがたいな」 「良かれと思って選んでいるけれど、実は意外な盲点があるのかも?」「どっちもだなぁ」と線の真ん中にシールを張られるお客様もいらっしゃいました。

この結果を見て、皆さんはどんなことを感じ、どんな風に思われるでしょうか。 正解も間違いもありません。香り調査の結果を見て、身の回りの香りについて、自分はどうかと考えたり、他の人はどう感じているのか、体や暮らしの声を、ちょっと考えてみるきっかけになったら嬉しいです。

この調査は、私が香りを扱う人間として、どういう発信ができるか、みんなはどう感じているのか、一方的ではなく、いろんな環境がそこにあり、どんな環境でも、役に立つ、参考になるような発信を考えるきっかけになりました。協力していただいたご来店の皆様、ありがとうございました。また、ご来店時に、シールの集計を見て、何か考えたり、感じたりすることがあれば、ぜひ教えてください。

この考察からさらに一歩踏み込んで、 「お気に入りのタオルが水を吸わなくなる、柔軟剤のちょっとした裏話」や、 「ニオイが気になるときの、香りで上書きしない引き算のケア」など、 私たちの暮らしをほんの少し軽やかにする具体的な仕組みとお話と私なりの考えをお届けしたいと思います。

皆さんの毎日が、心地よい深い呼吸で満たされますように。

今の気分はどっち?↓