空っぽの後先

少し長いお休みをいただき、本当にありがとうございました。

その間、お客様から何か連絡があることもなく、「ゆっくりしてきてくださいね」と温かく送り出してくださった皆様のご理解に、心から感謝しています。

旅先の道中は、実は楽しみ半分、不安半分でした。 まず飛行機内のアナウンスが英語で何言ってるかさっぱりわからず、頼りにしていた旦那さんの英語は機能不全……(笑)。

そんな中、機内で覚えた「アーユーボワン」。CAさんから放たれるその音の響きがすごく耳に柔らかくて、後で調べたらシンハラ語で【あなたが長生きしますように…】と相手の健康や長寿を思う祈りが込められているそうです。口で言うだけでなく、手を合わせて言うのが大事なんだとか。この旅で最初のお気に入りになりました。現地でも英語がわからず大変なことも多かったですが、逆に「わからないからこそ、先入観なく受け入れられて良かった」と思うこともたくさんありました。

少しでも、現地に日本人の旅行者として足跡を残したいと思い、今回は「檜(ひのき)と柚子(ゆず)」の香りを染み込ませた折り紙を持っていきました。 チップと一緒に折り鶴を置いてみたらどうかな?と考えたのですが、仕事柄、日本の香りを…と余計なことに頭が働いてしまった結果、「その都度、説明書きを残さないと伝わらない!」と気づき、一生懸命英語でメッセージを書くことに。 こんなに翻訳機能を使ったのも、英文を書いたのも、中学の英文書き写しの宿題以来でした。全く話せないし意味もわからないけれど、英字を書くこと自体は、なんだか好きみたいです。

あーだこーだとそんなことをしながら、「デジタルデトックス」ができたかというと……実は、ちょっとした事件がありました。 予約システムの日時が、時差の関係でズレてしまうことを知らず、ふと見たら、すでに入っている予約が全部ズレていて、「これはまずい!」(お休みのところに予約が入っていたり、休みじゃない所が休みになっていたり)と大慌て。結局、現地からシステムの人に連絡をしたりして、なんだかんだデジタルは手放せませんでした。翻訳機能もフル活動(笑)。

それでも、海と空だけの景色と、自然の音しか聞こえない世界の中で過ごせた数日間は、頭の中の雑念や不要なノイズをそっと吐き出して、体ごと空っぽになれた気がします。

「今回、五感を通して得た経験を、どうサロンに生かそうか」 お休み前はそんなことばかり考えていましたが、今思うのは、現地で感じた風や光、そのすべてが、これからの言葉やサロンワーク、施術、そしてTroneの目に見えない空間を通して、自然と生きていくのだろうな、ということです。

そして、一緒に旅した主人にとっても、この時間は大きな転機になったようです。 今まで「剥がしたくても剥がれなくて、強力ボンドで貼り付けてしまった」と思い込んでいた自分へのレッテルを、「やっぱり、一回剥がしてみようか」と、心に変化が生まれた期間になったと言っていました。

言葉がわからない私たちに、現地の方が戸惑いながらも、本当に親切に接してくださったおかげで、とても心地よい時間を過ごすことができました。心からの感謝。また、いつか必ず行きたいなと思っています。

ただ、帰りの飛行機で、滞在先が抱えている環境問題についての記事をふと目にしたとき、少し胸が痛みました。 「そんなことが起きていたのか」と、その問題を知らずにただ楽しんで過ごしてしまったことに、後悔と反省が湧いてきました。知ったからといって今すぐ何ができるわけではないけれど、やっぱり知っていれば、より深い感謝の気持ちを持てたし、あの高い観光税の理由にも納得がいきます。今回は、ただ自分の欲求を満たすだけの滞在になってしまったな、と少しほろ苦い反省も残る旅となりました。

だからといって、この思いを共有したい、理解してもらいたい、と思っているわけでもありません。 「そんなこと気にしてたら、楽しめるものも楽しめない」と感じる人もいる。 「それだけのお金を払っているんだから、それに見合う、もしくは自分が望むサービスを受けて当たり前」と感じる人もいる。 100人いれば、100通りのの楽しみ方、考え方があって当然。正解も不正解もない。自分が満足して、納得できればOK!というのが、私の考えです。(他人に嫌な思いをさせたり、危害を加えたり、迷惑になる行動は別問題。これがまた難しいところ。)

改めて、現地で私たちをサポートしてくれた温かい人たち。 長いお休みを信頼して受け入れてくださった、サロンの大切なお客様。 私たちが留守の間、何事もなく、家の様子を見に来てくれていた両親。

すべての人に、心からの感謝を込めて。

パワーアップした……というよりは、すっきりと軽くなった灯台でお待ちしています。